2009年03月29日

リスクをヘッジできない本当の理由



最近、日経から新しい新書シリーズ「日経プレミアシリーズ」が発売された。

本屋さんでみかけて、金融本のひとつだろうと買い求めて、東京行きの新幹線の中でさらっと読んでみた。

事実というか、今までの金融本の統計学の概説とは少し違った趣旨の基に書かれている。

今までの、金融本の統計論の総説では基本的に金融市場の動きを過去のデータを基にしている。

従って、チャートを含め、過去データの動きを基にトレンドを描いている。

これは当たり前の話で、それ以外にデータの取りようがない。

しかしながら、著者はその部分で意義を唱えている。

特に市場が暴落する場合(今回のサブプライムは典型的だが)や高騰する場合(バブル)、基本的な母集団が違っているのではないかという提言である。

確かに、暴落の場合は買い手が存在しないし、バブルの場合は売り手が存在しない。だから、法外な値がつくのだが、暴落の次は長い低迷が続き、ゆっくりと回復していく。バブルの次は買い手がつかないのだから、あっという間に値を消してしまう。

要するに母集団が違うのだというのが、著者の主張なのだ。

株でも為替でも、ランダムウオークするとうのが前提で予測がされるのだが、チャートを含め、すべては過去のデータによっている。しかし、過去のデータとは違った母集団によってデータが構成されているとしたら話は別物だろう。

以下に著者が簡潔にこの本の要旨をまとめているので、引用すると

トレーダーは合理的判断をしているか?答えは「否」。心理的バイアスが彼らの行動を狂わせてしまう。

市場価格は金融工学者が考えたとおりに客観的にとらえられているものなのか?

答えは「否」。それはすでに歴史が証明している。金融市場が崩壊するたびに、私たちは信じられないような異常値に接するのだ。そうして市場から放り出されたトレーダーが口にするのは「予想外....」である。私たちが相手にしているのは、リスクではなく不確実性だからなのだ。

未来は過去と同じか?もちろん「否」。しかし、それを知りながらも過去からしか未来を覗けない。その隙間には、誰も予想できない不確実性の穴が横たわっている。どうしたって、未来は理想どおりにはコントロールできないのだ。

結局、私達は何ひとつわからないまま市場経済の中に放り込まれている。そこで私達がやっていることは、真っ暗な部屋でジグソーパズルをやっているようなものだ。いくつかのピースを手探りで選べだし、はめていく。(中略)そして最初からやり直し.....ジグソーパズルのピースがガラガラと崩れていく。これが市場のからくりだ。

全体を読んでみて、すごく納得できる内容だった。

と同時に、常人には困難を極めるが結局、市場で利益を得ようと思えば、暴落後の底値で買い、バブルと考えられた時に売るしか方法はなくなってしまう。

実際にはヒトはそれほど、合理的には出来ておらず、市場の動きをそれほど客観的に把握できるほどには合理的には動けない。

しかしながら、過去の数多くの投資本が、最近では新興市場での投資本が多いが、ロシア株だったり、アジア株だったり、はてはドバイ株だったりするのだが、いずれもブーム(すなわち、バブル状態になってからの)になってからの情報開示のため、一度や二度は痛い目に合っているはずだ。

私自身のベトナム株に郵送で口座を開いているが、手数料の高さと口座維持費に閉口している。

いずれにせよ、中国株は最悪の状態は脱した様な感触だ。

一番、よいのはその最悪の時に株を拾って、これから上昇していく中でバブルを読んで切り抜けることだが、果たしてそんなことが出来るのかが課題だが。

posted by 経財師 at 08:11| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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